寒い季節になると食べたくなる庶民の味｢おでん｣
コンビニで手軽に買えるのもあって、冬のメニューに欠かせないひとつですね。
おでんは各地域によってそれぞれの個性があり、ご当地ならではの味付けや具材に驚かされることもあります。
先日も朝の情報番組「ＺＩＰ！」(日本テレビ系列)でご当地おでん特集が放送されていましたが、北海道以外のご当地おでんは、全く知らないものばかりでした。
全国各地に出張へ行く私はコンビニおでんにお世話になることが多く、地域限定のおでんの具材にびっくりすることもしばしば．．．必ず買って限定の味を楽しむことにしています。．．．ということは、北海道のおでんにもびっくり要素があるのかも！今回は、北海道ならではのおでん事情をご紹介します。
北海道のおでんの特徴は？
北海道のおでんの出汁は、風味豊かな昆布だしをメインに使用し、酒と塩と醤油を加えたシンプルな味付けです。それぞれの具材が素材の美味しさを引き出しますので、おでんのつゆはシンプルが一番ですね。
具材は、大根、こんにゃく、たまご、しらたき、はんぺんなど、一般的なおでんの具材のほか、北海道独特の具材が入ります。道民には当たり前のものなので、その具材が北海道だけだとは思っておらず、逆に驚くことがあります。
それでは北海道独特のおでんの具材を紹介します
マフラー
先日の「ＺＩＰ！」でも紹介された、北海道のおでんに欠かせない具材｢マフラー｣
｢おでんの具のにマフラー？？ ありえないでしょ！｣と月曜担当の風間俊介さんも驚いていました。確かに「おでんにマフラーが入ってる」と言うと、道外の人は？？？となりますよね。「マフラー」と聞いたら、首に巻くマフラーや車の排気管のマフラーを思い浮かべてしまうのではないでしょうか。
北海道のおでんに入っている「マフラー」は実はさつま揚げのことなんです。北海道では昔から作られている商品で、四角くて細長いので商品名を「マフラー」と名付けたそうなんです。ユニークな商品名ですが、道民にはおなじみの商品で、味は一般的なさつま揚げと変わらずとてもおいしいです。
たちかま
たちかまは、新鮮なスケトウダラの白子と塩だけで作るかまぼこのことで、日持ちのしない白子を有効活用できないかと考案されました。
白子と塩だけで作るたちかまは、プリプリの弾力のある食感となめらかな舌触りで濃厚な味わいです。たちかまからでるうま味が、シンプルな昆布だしに溶け込んで味に深みを増してくれます。たちかまを製造しているのは、北海道でも数社しか無く貴重な商品で、利尻島や岩内町の名産品です。
札幌市内のスーパーや札幌駅構内の「どさんこプラザ」などで販売しています。通信販売で購入することもできますよ。
つぶ貝
磯の香りともっちりとした食感で、おでんがよりうま味を増します。つぶ貝が入ると高級感が出ますね。道内のコンビニのおでんにも限定品でメニューにありますよ。
笹竹
笹竹はアスパラガスのように細長く竹で、別名「姫竹」雪の重みで根が曲がっているので「根曲がり竹」とも呼ばれます。北海道では雪が溶けた5月ごろから始まるころから収穫されます。灰汁(アク）が少なく風味豊かで、柔らかい竹の子です。3～4本をかんぴょうで巻いておでんに入れることが多いです。
フキ
私はおでんの具の中で一番好きなのがフキです。出汁がしみ込んだジューシーな味わいとフキ独特の風味がたまらなく美味しいです。5～6cmに切って、2～3本をかんぴょうで巻いておでんに入れます。フキのきれいな緑色が、茶色いおでんに彩りを添えてくれます。
北海道のおでんは、山菜と魚介類が入ることが多いですが、地域によって入る具材が微妙に違うこともあります。居酒屋やおでん屋さんでは、ホタテやカニが具になっていることもありますよ。
北海道のおでんは2種類！お祭りに食べるおでんとは？
北海道ではお祭りの屋台のメニューにおでんが登場します。季節を問わず、夏祭りでもおでんの屋台あります。夏におでん！？と驚かれるかもしれませんが、夏も涼しい北国ならではのメニューなんです。そして、お祭りのおでんは冬に食べるおでんとは、全然違うものなんですよ。
お祭りのおでんは、大根、ちくわ又はさつま揚げ(マフラー)、こんにゃくの3種類。これを適当な大きさに切って割りばしに刺します。刺す順番に決まりはありませんが、大根を最後に刺すと具材がはがれず安定するのでオススメです。これを大きな鍋にだし汁を入れて、大根が軟らかくなるまで煮込みます。
これを味噌だれに付けて食べます。味噌と砂糖、酒、みりんを火にかけて練り上げる味噌だれで、コクと甘味があります。
お祭りの屋台によってはだし汁ではなく、お湯で煮込んでいるだけのところもありますが、味噌だれがあるので全く気になりません。シンプルな具材と味噌だれが絡みあってとても美味しいです。
北海道のお祭りには欠かせないメニューの一つなんですよ。
おでんは地域それぞれで具材も味付けも違いがあり、とても奥深い料理ですね。ぜひ北海道のご当地おでんも楽しんでいただけたらうれしいです。
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